曲の概要
「生きがい」は、1999年リリースのアルバム『HEAVY GAUGE』に収録され、LUNA SEAやX JAPANのギタリストSUGIZOさんをモチーフにしたとも言われる楽曲です。
TAKUROさん特有の哲学的な視点とリアリズムが強く出ており、「生きること」「愛すること」の両方を鋭く見つめる歌詞になっています。
1. 過ちと出逢い
「許されぬ過ちも どんな出来事も 振り向いたなら 懐かしき日々」
過去の過ちや後悔も、振り返れば懐かしい日々になる。
この視点がすでに「生きがい」というテーマに繋がっていて、苦しみも含めて人生の糧になることを暗示しています。
2. 人の心に踏み込み、傷つく
「人の心にむやみに踏み込んで ここでは返す刀で怪我をした」
相手を知ろうとするがゆえに、自分も傷つく。
人間関係における誤解や摩擦を象徴する一節です。
TAKUROさんのリアルな観察眼がここに表れていて、“愛すること”は同時に“傷つくこと”でもあるというテーマが見えます。
3. 愛と憎しみの同質性
「愛する事と憎むことは つまり構成してる物質は同じ事と気づきながら…」
この一節は非常に哲学的。
愛と憎しみは裏表の感情であり、同じエネルギー源から生じるものだと認識しながらも、人はその矛盾を抱えて生きている。
SUGIZOさんという人物が持つ光と影、TAKUROさん自身が抱く人間への洞察が重なっているようです。
4. 子供の瞳で愛を説く
「疲れる事を知らない子供の瞳で 愛を説く あなたがくれたかけがえの無いものを
大切に守り抜いてく それこそが…日々の暮らしの中に咲いた 生きがいになるだろう」
純粋さと情熱を忘れずに、日常の中で小さな愛や価値を守っていくこと。
それこそが「生きがい」だと歌っています。
ここが曲全体のクライマックスであり、タイトルの答えでもあります。
5. 神なき世界で問い続ける
「僕は独りだ 祈るべき神も祈る言葉もとうに無いさ」
ここでは信仰や支えを失った孤独が描かれています。
しかし、そこで終わらずに「あなたの言葉の意味をわかるまで問いかけ続ける」という姿勢を示しています。
これこそが“生きる意味を探し続ける人間の姿”を象徴しています。
6. “幸せという魔物”と悲しみの繰り返し
「歴史がそうであったように あの人がそうであったように 僕は幸せという魔物に取り付かれ 悲しみ繰り返す」
人は幸せを求めるあまり、同じ悲しみを繰り返してしまう。
この部分が、SUGIZOさんをモチーフにしたと言われる所以かもしれません。
音楽や表現者の宿命とも重なる深いテーマです。
まとめ
「生きがい」は、単なる曲ではなく“生きることそのもの”を問うGLAY屈指の哲学的楽曲です。
過去の過ち・人間関係の痛み・愛と憎しみの矛盾・孤独と信仰の喪失――そのすべてを抱えながら、なお“かけがえのないものを守り抜く”ことを「生きがい」として描いています。
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