GLAYの名曲「口唇」。
その熱を帯びたメロディと挑発的な歌詞は、聴く者の心を掴んで離さない。
この曲が描くのは「恋」ではなく、「欲望」と「崩壊」。
今回は、GLAYが1997年5月14日に放ったこの作品を、歌詞をもとにゆるくに読み解いていく。
目次
◆ あの“口唇”に奪われたものとは?
冒頭の一節から、リスナーは一気に“蜃気楼”の中に引き込まれる。
口唇に奪われたあの愛の蜃気楼の中で乱れていた この胸 心どうでもイイと…
「口唇に奪われた」とは、文字通りキスを意味する表現にも見えるが、それ以上に“抗えない欲望”の象徴と読むことができる。
目の前にある愛か情欲か、その蜃気楼のように曖昧な世界の中で、主人公の心はすでに乱れ、「どうでもイイ」と自己放棄に近い心理状態にある。
GLAYの詞世界ではしばしば、「本気の恋」とは違う“刹那の情”が描かれるが、この曲はまさにその極みだ。
◆ 「悪魔の囁き」と「オマエの手まねき」が意味する誘惑
悪魔の囁きに今オマエの手まねきに揺れてる破裂しそう触れあう口唇 焼ける様に熱くなる
ここでの「悪魔」とは、理性を壊す存在であり、相手に対する“歯止めの利かない衝動”を象徴する。
また「オマエの手まねき」という表現が、非常に性的かつ挑発的で、この関係が一方的な受動ではなく、相手からの積極的な誘惑であることが明らかになる。
「破裂しそう」という身体的な描写と、「焼けるように熱くなる」という官能性を持った表現が続き、この楽曲が理性の崩壊寸前の心理状態を描いていることがわかる。
◆ 「サヨナラ」の裏にある、救われない関係
きっと気づけば真夜中他人の顔で捨て台詞ah サヨナラを ah 言うつもりね
このパートでは、冒頭の熱と欲望から一転し、“冷めた別れ”が描かれる。
「他人の顔」とは、おそらくその人が見せた“本心ではない態度”を指しているが、それは同時に「本気になってはいけない関係」だったことを示唆している。
逢いたくて でも逢えない 嫉妬に狂いそうになる古い傷が疼きだした
ここにきて、主人公の心の奥にある「かつての傷」が明かされる。
恋愛関係の表層ではなく、その裏にある過去のトラウマと向き合ってしまう苦しさが表現されている。
◆ “純情にも似た欲望”という逆説
愛遠き世界にひるがえす 純情にも似た欲望よ銀色の月に照らされたオマエのEYEが怖いほど…俺を悩ませる 惑わせる 壊してく
「純情にも似た欲望」という表現が非常に示唆的だ。
純情は本来、真っ直ぐで一途な感情だが、ここではそれに「欲望」という言葉を重ねている。
つまりそれは、綺麗ごとではない、どうしようもなく抗えない執着を描いている。
「オマエのEYEが怖いほど」というフレーズも、ただ美しい視線ではなく、本質を見透かすような恐ろしさを孕んでいる。
見られることで、主人公は理性を失っていく。
◆ 最後に浮かび上がる「オマエ」という存在の支配力
謎にせまる華麗な歴史はオマエが作るcool & tough! she’s a liberty今宵は誰の愛を盗む危険なほど募る想い
ここで「オマエ」は単なる恋人ではなく、“時代を動かす力”を持つ女性として描かれている。
「she’s a liberty」という言葉が象徴するように、自由で、誰にも縛られず、時に残酷に人の心を翻弄する存在。
まるで映画のヒロインのようなその人物は、主人公の心を完全に支配している。
この曲が描くのは、愛の形をした“支配”と“破壊”なのだ。
◆ まとめ:この「口唇」は、愛を語るにはあまりに危険だ
GLAY「口唇」は、ただのラブソングではない。
その口唇が奪ったのは、愛でも、キスでもなく——「心の自由」だ。
主人公は、自らの過去、欲望、嫉妬、傷、そして感情のすべてを“オマエ”に捧げながらも、どこかでそれが破滅に向かっていると気づいている。
GLAYの中でも最も危険で、最も美しい曲のひとつ。
「口唇」は、今もなお、聴く者の心に“熱”を灯し続けている。
■ おわりに
あなたは「口唇」にどんな印象がありますか?
GLAYには人生の激しさ、厳しさ、心の揺らぎが伝わる歌もたくさんありますが、
こんなGLAY話、良かったらハピスイで一緒にしませんか?
名古屋・栄 GLAY BARハッピースウィングで、お待ちしてます🍻
■ ハッピースウィング情報
▶ X / Instagram も更新中!
Twitter:https://twitter.com/GLAYBAR_HS

Instagram:https://www.instagram.com/glaybar_happy_swing

コメント