第37回目GLAY歌詞考察|「生きがい」― 愛と憎しみを超えて問い続ける存在の意味”シン君が語るGLAY曲の魅力

GLAY

曲の概要

「生きがい」は、1999年リリースのアルバム『HEAVY GAUGE』に収録され、LUNA SEAやX JAPANのギタリストSUGIZOさんをモチーフにしたとも言われる楽曲です。

TAKUROさん特有の哲学的な視点とリアリズムが強く出ており、「生きること」「愛すること」の両方を鋭く見つめる歌詞になっています。

1. 過ちと出逢い

「許されぬ過ちも どんな出来事も 振り向いたなら 懐かしき日々」

過去の過ちや後悔も、振り返れば懐かしい日々になる。

この視点がすでに「生きがい」というテーマに繋がっていて、苦しみも含めて人生の糧になることを暗示しています。

2. 人の心に踏み込み、傷つく

「人の心にむやみに踏み込んで ここでは返す刀で怪我をした」

相手を知ろうとするがゆえに、自分も傷つく。

人間関係における誤解や摩擦を象徴する一節です。

TAKUROさんのリアルな観察眼がここに表れていて、“愛すること”は同時に“傷つくこと”でもあるというテーマが見えます。

3. 愛と憎しみの同質性

「愛する事と憎むことは つまり構成してる物質は同じ事と気づきながら…」

この一節は非常に哲学的。

愛と憎しみは裏表の感情であり、同じエネルギー源から生じるものだと認識しながらも、人はその矛盾を抱えて生きている。

SUGIZOさんという人物が持つ光と影、TAKUROさん自身が抱く人間への洞察が重なっているようです。

4. 子供の瞳で愛を説く

「疲れる事を知らない子供の瞳で 愛を説く あなたがくれたかけがえの無いものを

大切に守り抜いてく それこそが…日々の暮らしの中に咲いた 生きがいになるだろう」

純粋さと情熱を忘れずに、日常の中で小さな愛や価値を守っていくこと。

それこそが「生きがい」だと歌っています。

ここが曲全体のクライマックスであり、タイトルの答えでもあります。

5. 神なき世界で問い続ける

「僕は独りだ 祈るべき神も祈る言葉もとうに無いさ」

ここでは信仰や支えを失った孤独が描かれています。

しかし、そこで終わらずに「あなたの言葉の意味をわかるまで問いかけ続ける」という姿勢を示しています。

これこそが“生きる意味を探し続ける人間の姿”を象徴しています。

6. “幸せという魔物”と悲しみの繰り返し

「歴史がそうであったように あの人がそうであったように 僕は幸せという魔物に取り付かれ 悲しみ繰り返す」

人は幸せを求めるあまり、同じ悲しみを繰り返してしまう。

この部分が、SUGIZOさんをモチーフにしたと言われる所以かもしれません。

音楽や表現者の宿命とも重なる深いテーマです。

まとめ

「生きがい」は、単なる曲ではなく“生きることそのもの”を問うGLAY屈指の哲学的楽曲です。

過去の過ち・人間関係の痛み・愛と憎しみの矛盾・孤独と信仰の喪失――そのすべてを抱えながら、なお“かけがえのないものを守り抜く”ことを「生きがい」として描いています。

✨あなたにとって“生きがい”は何ですか?

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