曲の情報
「嫉妬」は2001年11月28日にリリースされたアルバム『ONE LOVE』に収録。
作詞・作曲はTAKUROさん。
タイトル通り“嫉妬”をテーマにした直球なロックナンバーで、欲望と愛憎が交錯する攻撃的な歌詞が特徴です。
実はシングル候補曲だったものの、メンバーからボツを食らいアルバム収録に回ったという裏話もあります。
1. 内なる「JEALOUS BEAST」
「JEALOUS BEAST I’m in the mirror! 心の中の憎いヤツが 好きになる程暴れ出す 」
ここで歌われる“JEALOUS BEAST(嫉妬の獣)”とは、誰もが心の奥に抱える醜い感情の象徴。
鏡に映るのは自分自身であり、相手を責めるよりも「嫉妬に狂う自分」との対峙が描かれています。
愛する人への想いが強いほど、自分の中の獣が暴れ出す。
この葛藤が曲全体を貫いています。
2. 疑念と不安
「お前と俺の顔をすり替えて 彼女に抱く疑惑が募る」
嫉妬は根拠がなくても心を支配します。
恋人の心が他の誰かに向いているのではないか…という疑念が膨らみ、妄想に飲み込まれていく。
冷静さを失い、自分と“誰か”をすり替えてしまうほどの不安は、恋の持つ脆さを鋭く突いています。
3. 本能と欲望
「嫉妬するね 口唇に本能 裸のままで kiss me, more deep」
サビでは嫉妬心が愛欲に直結します。
嫉妬=愛の裏返しであり、相手を失う不安がより激しい求愛に変わっていく。
「Maybe yes, Maybe yes, Maybe yes LOVER」というリフレインは、欲望に支配されて曖昧になっていく理性の崩壊を表現しているとも読めます。
4. 愛憎の駆け引き
「裏切る事 許す全ての事を 愛憎の駆け引き」
愛し合う二人の関係において、裏切りも許しも全て「愛憎の駆け引き」の中にある、と歌っています。
嫉妬という感情は、単なる弱さではなく、愛の一部であり、時に二人の絆を強めもする。
矛盾を抱えながらも人は愛に溺れていくという、GLAYらしい深さが垣間見えます。
5. 「嫉妬」を肯定する曲
タイトルの通り“嫉妬”が主題ですが、ここで描かれるのはただの負の感情ではなく、「愛の裏返し」としての嫉妬。
愛と欲望、疑念と執着、許しと裏切り――矛盾だらけの人間の本質を、そのまま肯定的に描いたのがこの曲の魅力です。
アルバム『ONE LOVE』というタイトルの下に置かれたのも、「愛の多面性」を示す意味があったのかもしれません。
まとめ
「嫉妬」は、恋愛の中で誰もが抱く“醜さ”を真正面から描いた挑戦的な楽曲です。
JEALOUS BEAST=自分自身。
その存在を否定するのではなく、「愛の一部」として描き出すことで、むしろ人間のリアルを肯定している。
GLAYの幅広い表現力と、TAKUROさんの詞の奥深さが光るナンバーだと言えるでしょう。
✨あなたにとって、“嫉妬”は愛を壊すものですか? それとも愛を強めるものですか?
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